小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
臨床
2根2根管性上顎乳中切歯の存在により後継永久歯の萌出遅延がみられた1例
北村 尚正杉本 明日菜河原林 啓太岩本 勉
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 56 巻 1 号 p. 81-86

詳細
抄録

過剰根とは,一般的な形態から逸脱した歯(奇形歯)の一種であり,複根や副根を有した歯根をいう1)。永久歯ではほとんどすべての歯種において過剰根を認めることは知られているが,乳歯において過剰根を認めることは極めて稀とされている。国内の過去の報告例においても,上下顎乳犬歯,上顎第2乳臼歯,下顎第2乳臼歯の臨床報告が数例あるのみで,上顎乳中切歯での報告はない。

今回われわれは,上顎左側乳中切歯において2根2根管を有し,後継永久歯の萌出障害の一因となったと考えられた1例を経験したのでその概要を報告する。

著者関連情報
© 2018 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top