農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
 
消費者の農業・農村への一時的な関わりに期待される役割
柿野 亘稲葉 光國冨井 登美子菊池 俊雄
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 79 巻 8 号 p. 595-598,a1

詳細
抄録

栃木県河内郡上三川町において,有機農業を核とした地域づくりの一環で行われた地元消費者による生きもの調査と農業体験の事例について報告する。この中で,生きもの調査の2009,2010年の調査結果の比較を行った。これらを踏まえ,地元消費者による農業・農村への関わりがより発展することを目指す上で,参加した消費者に期待される役割について考察した。すなわち,生きもの調査を農法のひとつとして位置づけること,生きもの調査と農業体験が継続され,生物の生息分布の中・長期的変化を実感することが,地域の生態系管理的な仕組み形成の可能性につながると期待された。一時的であってもこのような可能性を有する関わりは農村地域において有効・有益であると考えられる。

著者関連情報
© 2011 公益社団法人 農業農村工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top