1990 年 87 巻 10 号 p. 2379-2384
EBウイルス肝炎患者の末梢血リンパ球サブセットを, AH群•正常対照群と比較し解析し, CD8陽性細胞の増加•CD4陽性細胞の減少, CD19陽性細胞の減少を認めた. 又, 二重染色を用いて検索するとCD8+CD11b-細胞の増加を認め, 他のCD8+CD11b+細胞には変化を認めなかつた. この事実はCD8陽性細胞の増加はCD8+CD11b-細胞によることを明らかにした. また, EBウイルス肝炎時出現する大型異型リンパ球について検索した結果はその大部分がCD8+CD11b-細胞であることが明らかとなつた. 以上より, EBウイルスがB細胞に感染すると生体の防御反応として Cytotoxic T cell が活性増殖することが明らかとなつた.