日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
血管作動物質動脈内持続注入による肝血行動態の反応
第二報 ラット肝癌組織血流の測定
本橋 修草野 正一太田 顕成中山 茂信
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キーワード: 肝癌, 血管作動物質
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1989 年 86 巻 4 号 p. 882-888

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抄録

血管作動物質を発癌ラットの腹腔動脈本幹から持続注入し, 肝癌及び癌周囲非癌部の組織血流量と平均血圧の変化を測定した. 血管収縮物質である Prostaglandin F2 alpha (PGF) と Angiotensin II (AT) 各々1.0μg/kg/minの注入は, 両者とも癌周囲非癌部の組織血流量には有意な変化を示さないが, 肝癌組織血流に関して, 前者では有意な減少を示し, 後者では血圧上昇と相挨つて増加した. Dibutyryl cyclic AMP (DBcAMP) (2.0mg/kg/hr) の注入は, 癌部, 非癌部とも組織血流量を増加させ, DBcAMP の投与後, PGF (1.0μg/kg/min) の追加注入で, 両者の組織血流はさらに増加した.

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© 財団法人 日本消化器病学会
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