2018 年 115 巻 12 号 p. 1057-1062
Endoscopic ultrasound(EUS)ガイド下治療の発展は目覚ましく,最近では胃静脈瘤治療も行われている.本治療法は,EUS画像をガイドとして胃静脈瘤およびその流入路を穿刺後血管塞栓用コイルを留置し,必要に応じてcyanoacrylate系薬剤も追加注入することで,胃静脈瘤塞栓化を図るものである.カラードプラにより治療効果もリアルタイムに把握できるため,追加穿刺治療の要否の判断も容易である.また,あらかじめEUSで測定された静脈瘤径よりも大きなコイルを用いるため,留置後に大循環に流出する可能性はきわめて低い.EUSガイド下胃静脈瘤治療は今後の発展が期待できる新たな治療法である.