日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
ウイルソン病における各診断ガイドラインの有用性の検討
中井 正人森川 賢一大原 正嗣川岸 直樹出水 孝章梅村 真知子伊藤 淳常松 聖司佐藤 史幸荘 拓也須田 剛生小川 浩司坂本 直哉
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2017 年 114 巻 5 号 p. 839-845

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抄録

ウイルソン病は原因不明の肝機能障害,肝硬変における鑑別診断の1つである.多くは幼少期に診断されるが,成人後に肝硬変として発見される症例も経験する.血清セルロプラスミン,尿中銅などの測定にて診断可能な症例もあるが,診断に苦慮し,ATP7B遺伝子変異検査や肝組織中銅含有量測定が必要な場合もある.米国肝臓病学会,ヨーロッパ肝臓学会から診断ガイドラインが提唱されており,本邦でも2015年にウイルソン病診断ガイドラインが発表され,診断困難例においても,各ガイドラインに従った診断が可能となった.当科でのウイルソン病症例を各ガイドラインの診断基準,フローチャートを用いて検討し,その有用性を報告する.

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© 2017 (一財) 日本消化器病学会
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