2010 年 107 巻 4 号 p. 531-537
2009年秋に日本消化器病学会から胃食道逆流症(GERD)診療ガイドラインが出版された.このガイドライン作成の目的は (1)臨床医にGERDの診療に関するエビデンスレベルの高い診療情報を伝えること,(2)エビデンスレベルの高い情報が欠けている領域を明らかとして,その領域での研究を加速することであった.GERDに関しては診断や治療を中心に多くの情報を今後作成する必要があること,特に日本人を対象とした診療情報が不足していることが明確となった.今後のガイドラインの改定に向けてこれらの空白部分を埋めるための臨床研究を積極的に進めていくことが必要であると考えられる.