日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
ダブルバルーン内視鏡検査により診断が可能であった原発性腸リンパ管拡張症の1例
八上 佳和渡辺 憲治亀田 夏彦町田 浩久岡崎 博俊山上 博一斯波 将次藤原 靖弘押谷 伸英荒川 哲男
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2008 年 105 巻 11 号 p. 1612-1618

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抄録

患者は31歳の男性.生来健康であったが,平成15年より下痢,下腿浮腫が出現した.血液検査にて低蛋白血症を認め,各種検査を行ったが原因は不明であった.さらなる精査のためダブルバルーン小腸内視鏡検査を施行し,小腸粘膜の生検病理組織から腸リンパ管拡張症と診断し得た.本例のように確定診断が困難な蛋白漏出性胃腸症による低蛋白血症例には,ダブルバルーン小腸内視鏡検査による積極的な病理組織学的検索が有用と考えられた.

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© 2008 (一財) 日本消化器病学会
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