日本調理科学会誌
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カタクチイワシ魚肉に含まれるパルブアルブミンおよびコラーゲンの酵素処理によるIgE活性の低減化
倉田 香織伊藤 正也松宮 政弘土橋 朗中村 厚近藤 智彦筬島 克裕板垣 康治
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2018 年 51 巻 4 号 p. 205-216

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抄録

 パルブアルブミン (PA) は魚肉に含まれる主要なアレルゲンの一つである。PAを加水分解する作用を期待して,カビ由来の酵素を用いカタクチイワシの魚肉抽出物のアレルゲン性を低下させることを,ELISA法および阻害ELISA法により明らかにした。本研究では,ウマミザイムG,プロテアーゼMアマノG,プロテアーゼPアマノ3G,アルカラーゼ,プロタメックス,ニュートラーゼ,フレーバーザイムの7種類の酵素を評価した。いずれの酵素で処理した場合も,苦味を呈することなく,PAが加水分解された。アルカラーゼおよびフレーバーザイムを組み合わせて処理したものが最もアレルゲン性が低下した。使用した酵素により,アレルゲン性の残存状況は異なっており,酵素の基質特異性が主要な要因となっていると考えられる。

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© 2018 一般社団法人日本調理科学会
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