日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 2D-1
会議情報

口頭発表
マグロずしの風味に及ぼす食酢の影響について
*白石 旭赤野 裕文稲垣 英明古田 久美子元井 彩加
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】すしは和食の代表的なメニューの一つとして海外でも人気である。「すし」と食酢の関連性に関する研究については,すし酢が「すし飯」の低温保存後のテクスチャーに及ぼす影響や,各種有機酸を使用したすし飯のおいしさ評価などが報告されているが,すしタネとすし飯を合わせた「すし」としての風味に関する報告はほとんどない。そこで本研究では,「すし」の中でも人気のタネである,「マグロ」に着目して「マグロずし」における食酢の影響について握りずしで評価を実施した。

【方法】マグロは地中海産天然赤身,地中海産養殖中トロ,国産養殖中トロの脂質含量の異なる3種類を冷凍,解凍後に生ダネとして使用した。すし飯は米酢を使ったすし飯,酒粕酢を使ったすし飯に加えて,比較対象として白飯を使用した。官能評価は,(1)QDA法による評価項目の選定,(2)順位法による特性評価を行った(評価人数は12〜40名)。

【結果および考察】はじめにQDA法による官能評価によって「マグロ由来の酸味・血の風味(鉄分)」「魚の脂っぽさ(脂質)」が「マグロずし」の品質差を示す特徴的な評価用語であることを確認した。次に,順位法による特性評価では,米酢のすし飯および酒粕酢のすし飯では白飯と比較して「マグロ由来の酸味・血の風味(鉄分)」と「魚の脂っぽさ(脂質)」を弱く感じられることが分かった。また,嗜好性評価にて,白飯よりもすし飯の方がおいしいという結果となった。

著者関連情報
© 2019 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top