日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1E-a1
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口頭発表
ツバキ花弁の抗酸化性とドレッシングへの利用の検討
*山口 智子山本 明日香坂井 淳一
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抄録

【目的】ヤブツバキ(Camellia japonica L.)は、春先に赤色の花を咲かせ、秋に果実ができる。その果実種子から得られるツバキ油は、古来より整髪用やスキンケア、灯明、食用として利用されてきた。新潟大学のキャンパス内にはヤブツバキが多数植栽されており、その種子を採取し搾油して大学ブランド「キャンパス椿油」を開発している。ツバキ油にはオリーブ油と同様に、オレイン酸が多く含まれること、また、ツバキ花弁はアントシアニン系色素を含むことが知られている。本研究ではツバキ花弁の抗酸化性を評価するとともに、ツバキ油を使ったフレンチドレッシングへの花弁色素の利用を検討した。
【方法】本学五十嵐キャンパス内(新潟市)において2011年4月下旬、8種類のツバキの花弁を採取し、凍結乾燥試料を作成した。90%メタノール溶液、5%酢酸溶液、2%アスコルビン酸溶液、0.2%クエン酸溶液をそれぞれ加えて抽出液を調製し、DPPHラジカル捕捉活性、総ポリフェノール量、総アントシアニン量および色調を測定した。また、米酢でツバキ花弁色素を抽出したツバキ酢を用いて3種類のドレッシングを作成し、外観や香り、味などの7項目について官能評価を行った。
【結果】ツバキ花弁の90%メタノール溶液におけるラジカル捕捉活性は133.0~223.8μmol Trolox eq./g、総ポリフェノール量は362.0~3140.4μmol GA eq./gであった。酸性溶液においては、どのツバキ花弁も5%酢酸溶液を用いた場合のラジカル捕捉活性と総アントシアニン量が高く、抗酸化成分の抽出に適していた。ドレッシングの官能評価では、米酢50:ツバキ酢50で作成したものが総合的に好まれた。

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