2004 年 79 巻 1 号 p. 11-15
症例は23歳男性, 入院時ガフキー5号, 病型はわII3の肺結核症であった。入院時よりHREZの4剤にて治療を開始し, PZA (pyrazinamide) は2カ月間で終了した。第51病日より両頸部リンパ節腫脹が出現, 第115病日には, 両側とも小児手挙大にまで腫脹, 穿刺液塗抹で抗酸菌 (1+) であった。
また, 第86病日より左前胸部に鶏卵大の腫脹が出現, 穿刺液塗抹で抗酸菌 (1+) だった。喀痰からの培養菌薬剤感受性試験では耐性を認めなかったが, 第110病日よりethambutol (EB) を中止, HRにstreptomycin (SM), tuberactin (TH) を加え4剤治療を継続した。結局1年間の治療にて肺, 頸部, 前胸部ともに病状は軽快し治療終了となった。リンパ節腫大ならびに肋骨周囲膿瘍は初期悪化ではないかと考えられた。