大都市の結核対策では, 治療脱落中断を予防し, 多剤耐性患者発生を防止し, 治療成功率を高める対策の強化が必要である。入院中から退院・地域での服薬管理と治癒まで一貫した患者管理の構築が求められているなか, 病院と保健所の看護間連携は必須であり, また, 看護者間に結核対策に関する認識度に差があってはならない。
本調査は看護職能団体の看護協会の協力を得て病院看護婦に対して「結核対策に関する関心度と認識度調査」を行った。結果結核病棟に働く看護婦は40歳代以上が60%以上を占め経験年数も10年以上と長期に結核患者に関わっていた。結核に対する認識度は一般病院の看護婦よりも有意に高いことがわかった。しかし看護婦と保健婦との連携では必要性を感じてはいるが十分な連携はなされておらず, 今後病院と保健所の看護間連携システムの構築が必要である。