人工臓器
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CarboMedics弁の運動負荷心エコー法による弁機能の評価
井上 聡巳安倍 十三夫塚本 勝桜田 卓田中 利明小松 作蔵
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1993 年 22 巻 3 号 p. 770-774

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抄録

CarboMedics弁(CM弁)は、安静時での弁機能はすでに検討されており、良好な結果が得られているが、人工弁の弁機能の評価には運動負荷による圧較差等の測定が必要である。今回我々はCM弁を使用した弁置換症例に対し、運動負荷心エコー法を施行し、弁機能について検討した。1990年4月から1992年7月までのCM弁による弁置換症例84例(104個)のうち、術後に運動負荷心エコー法を実施し得た31例(37個)を対象とした。男女比は18:13で、年齢は29~65才(平均51.4±11才)であった。運動負荷はペダル式エルゴメーターにより仰臥位25watt 3分間で行なった。負荷時の大動脈弁最大圧較差、平均圧較差がそれぞれ50mmHg, 30mmHgをこえた症例は21Aの1例のみであった。僧帽弁位では平均圧較差が10mmHgをこえる症例は認められなかった。SJM弁との比較でも有意差はなく、良好な運動耐用能を示した。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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