人工臓器
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DUAL CHAMBER SKELETAL MUSCLE VENTRICLE: 並列型と直列型の比較
織田 禎二腰地 孝昭宮本 忠臣岡本 好史伴 敏彦
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1993 年 22 巻 3 号 p. 708-712

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抄録

骨格筋心室(SMV)の有効駆動には高い前負荷が必要とされているが, 我々の研究によると低い(生理的)前負荷では並列型Dual chamber (DC) SMV(二連銃型SMV)のポンプ機能の方が従来のSingle chamber SMVよりも優れていた。今回はこの並列型DCSMVをさらに直列型のそれと比較した。雑種成犬10頭の左広背筋を用いて内径14mmの円柱状chamberを二個並列に作製しこの両端にそれぞれY字管を接続した。このY字管の四本の脚の部分をそれぞれ別個に遮断あるいは開放することによって駆出の方向の違う二種類の直列型と一種類の並列型DCSMVを機能させた。前負荷15mmHg, 後負荷80mmHgに設定したモック回路での一回拍出量(SV)と一回仕事量(SW)は, 並列型で6.3±0.7ml, 0.31±0.07×106ergsであった。直列型のSVとSWは駆出の方向により変化し, 近位部ポンプ→遠位部ポンプで5.9±0.7ml, 0.25±0.05×106ergs, 遠位部ポンプ→近位部ポンプで4.3±0.6ml, 0.16±0.03×106ergsであった。並列型DCSMVのほうが直列型よりも有意に大きな(P<0.05)SVとSWを発生した。直列型は駆出の方向を変えるとその能力が大きく変化した。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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