1972 年 1 巻 2 号 p. 154-155
人工腎臓を小型化するためには,単位面積あたりの透析能率を挙げることが必要である.
われわれは従来の透析膜を用い, 透析液側および血液側の境膜をできるだけ薄くすることによって透析能率を増加することを考え, 独特のボードを作成した.
われわれの試作したボードの透析面積は, 51×15×4≒0.3m2で, スタンダードキールボードの約1/3にあたる.
透析面を縦に2分し, 透析液を半面ずつ直列に流すと, 透析液のスピードはスタンダードキールボードに比して約7倍となり, 従って境膜の厚さは約半分となる.
urea N, クレアチニン, 尿酸のクリアランまたは, 透析面積がスタンダードキールの1/3にもかかわらず, 約1/2の値を示し, 能率の増加がみられた。
なお, 溝の大きさなどに改良を加えて, 実用化を試みたい.