移植
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腎移植時血管吻合に人工血管を使用し経過良好であった1例
花盛 敬輝前之園 良一岡部 知太郷司 和貴新名 拓也辻野 拓也南 幸一郎上原 博文小村 和正平野 一稲元 輝生能見 勇人東 治人
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2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s338_2

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抄録

【目的】移植時血管吻合の際に、人工血管を用いた症例を経験したので報告する。【方法】レシピエントは52歳男性で糖尿病性腎症に末期腎不全で、35歳の妻をドナーとした血液型不適合生体腎移植(B→O)を施行する運びとなった。左側ドナー腎採取後、バックテーブルでプレパレーションを施した際にドナー腎動脈が脆弱であることを確認した。脆弱部位を切除し右腸骨窩に配置したが吻合が困難であると判断し、ePTFE内径5mmを用いて腎動脈と右外腸骨動脈の間に配置し端側吻合を行った。【結果】アンクランプ後、特に出血や血栓閉塞を来すころなく、術後約6年後も問題なく経過している。【考察】人工血管を用いた腎移植について報告は少ない。また今回のような吻合血管に問題があった際には有効な手段と考えられるがさらなるデータの蓄積が必要であると考えるが、有効な手段であると思われる。

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