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重症対応メディエーション講座の試み-4つの共有(時間・疾患・関係・意思決定)を学ぶ-
平井 理心井上 貴昭小山 泰明川口 寿彦綱川 小百合横田 優希直川 匡晴中西 淑美平松 祐司山縣 邦弘
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 327_1

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抄録

【目的】終末期医療の家族ケアーと、医療チームスタッフの支援のために、協働と尊重を基本とする入院時重症患者対応メディエーターの必要性が策定されている。そこで、重症救急対応場面での患者家族ケアーをするスタッフへの医療メディエーション教育を試みた。【方法】院内外の医師や看護師等10名を対象に、医療メディエーションの第一人者と実践者と共に4時間の研修施行プログラムを策定した。プログラムは、①医療メディエーションの概要、②家族の意思決定場面のDVD鑑賞、③ロールプレイ、④総括、で構成した。教育目標として、患者・家族と医療者が4つの共有ポイント(時間・疾患・関係・意思決定)を協働することを強調して実施した。【結果】参加者は医師1名、看護師5名、心理士等4名であった。研修終了後の受講者アンケートでは、「研修の内容が理解できた」「研修の内容は重症対応時に役立つ」と10人中8人が好意的な回答をした。自由記載においては、「日々の生活に役立つ。ロールプレイは大切だしもっとやりたい」「時間が短い」等の感想を得た。【結語】重症対応メディエーション講座の試みは肯定的であった。そして、ロールプレイ学習の有用性が示された。医療メディエーター研修の受講履歴や実臨床経験の有無等、受講生のバックグラウンドが異なる状況下において、4つの共有ポイントについて理解を深めるには、時間配分と内容の精緻化が必要であると考えられた。

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