日本画像学会誌
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Imaging Today
Microsoft HoloLensの技術とその活用
千葉 慎二
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2019 年 58 巻 3 号 p. 300-305

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抄録

Microsoft HoloLensはユーザー周囲の物理空間をデバイスに取り込む.取り込んだ情報に仮想オブジェクトを加え再構成しユーザーに提示することでMRを実現する.ユーザーはこの体験を通じて現実と仮想が融合したかのように感じる.HoloLensはHMD型の一般的なスタンドアロンPCであるが,仮想オブジェクトをホログラムとして安定的に描写するためのHPUと高密度ディスプレイが搭載されている.HoloLensの大きな特徴はホログラムがその場に留まる表現を高精度で行えることにある.これはジャイロとユーザーがHoloLensを使用しているあいだ常に周囲の3Dマップを生成し自己位置を推定するSLAMにより実現される.ホログラムは任意の場所にピン留めでき,この仕組みを応用して複数ユーザー間で同一のホログラムを共有し議論することもできる.HoloLensは多分野での活用が期待されており,現状特に最前線の現場で活躍する労働者を支援するツールとして用いられるケースが多い.HoloLensは今年進化する計画があり,今後はクラウド連携でそれぞれの特性を活かしつつ相乗効果を高め,BtoBのみならずBtoBtoCへの展開もしていくと考えられる.

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