日本画像学会誌
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Imaging Today
『たかが紙,されど紙,やはり紙』
紙の特性と評価方法及び規格の動向
江前 敏晴
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2004 年 43 巻 4 号 p. 276-284

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抄録

画像がもつ情報を印刷メディアである紙を使って伝達する場合には,その情報は紙の特性にも大きく左右される.印刷に関係すると考えられる主な紙の特性について,定義とその測定方法を解説し,それらを規定する規格であるJISを付記した.紙は吸湿性が高く,紙の調湿及び試験のための標準状態は23°C/相対湿度50%と規定されている.構造的な特性としての坪量,厚さ,密度の定義と測定方法を解説した.光学特性はイルミナントCで拡散照明/0°受光で測定するのが標準であり,白色度,不透明度,色,光沢度の意義を示した.紙の不透明性は比散乱係数の高さに由来するものでその計算による求め方及び紙とプラスチックの比較を示した.力学特性として,引張,耐折,引裂の各強度と紙間摩擦係数の測定方法について述べた.最後に,ISO規格の最近の動向として古紙パルプ,再生紙についての規格が整備されていることを報告した.

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© 2004 一般社団法人 日本画像学会
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