都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
スペースシンタックス理論に基づく都市空間のアクセシビリティと機会犯罪の発生および警察の犯罪リスク認知の関係について
永家 忠司外尾 一則猪八重 拓郎
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2008 年 43.3 巻 p. 43-48

詳細
抄録

本研究の主たる目的は防犯環境設計における「監視性」、「領域性」を対象にスペースシンタックス理論を基に都市空間の防犯性能を考察した上で、スペースシンタックス理論におけるインテグレーション値と街頭犯罪の発生および警察の犯罪リスク認知空間との関係を分析することである。街頭犯罪の発生と警察の犯罪リスク認知空間の空間的分布を把握するため、アンケート調査を地域住民および警察官に対し行い、GISデータベース化を行った。本研究の成果は1.街頭犯罪の発生と警察の犯罪リスク認知空間の空間的分布状況を明らかにしたこと、2.都市全体から見たアクセシビリティの高低が容易に判断できるアクシャルマップを作成することにより、人通りや見通しがもたらす潜在的な監視性や領域性の推定を行ったこと、3.街頭犯罪の発生および警察の犯罪リスク認知空間とインテグレーション値の高さにおいて関係性があることが明らかとなったことである。

著者関連情報
© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top