1984 年 46 巻 2 号 p. 163-171
トラクタの走行性能, けん引性能に大きく関与する車輪と土壌との相互作用を調べる目的で, それらの間の摩擦力を考慮した有限要素法による解析を行った。解析は車輪を剛体, 土壌を弾性体として取り扱い, 沈下量とすべり率を入力の境界条件として, 徐々に沈下させ転動させる方法を用いた。
静的沈下の場合について, 実験結果と比較して大きな差がないことを確かめた後, 転動解析を行い, すべり率の変化に対する車輪のけん引係数, けん引効率等の関係および土中ひずみ分布を得た。けん引効率は, 車輪と土壌の接触部全域で相対すべりが生大じる以前に最大になることがわかった。第2報では, 弾性車輪の場合について検討する。