1979 年 40 巻 4 号 p. 509-515
本研究は, 装軌車の軌弱地における旋回性能について基礎的な解析を行うものである。本報ではこれまでに検討してきた堅固路面における旋回理論をもとにして, 履帯と路面間の摩擦力が履帯のすべり量によって異なったり, 車両重量や履帯のすべりのため路面が沈下したりする場合について定常旋回理論式を導き, 数値解析を行った結果について報告する。第2報以降では履帯のすべり特性, 路面の沈下や盛上り, 旋回半径, 旋回に必要な起動輪トルク等について実験用模型装軌車を用いて実験を行った結果と数値解析結果を比較検討するとともに, 車両の形状や重量, 履帯幅やグローサの形状等車の構造諸元や, 土の諸性第質が旋回性能に及ぼす影響などについて報告する。