2006 年 28 巻 2 号 p. 96-101
電子部品のハンダ接合部の重要な信頼性問題は,繰返し応力や熱が加わることで発生する疲労破壊である.この問題に対してはシミュレーションを活用した寿命予測モデルの構築が進められ,実用レベルになってきているが,ハンダ接合部のミクロ的な構造の経時的変化や結晶状態の経時的変化などは充分に考慮されている訳ではない.また,共晶ハンダ材料から鉛フリーハンダ材料に変わった事で,破壊モードの変化や評価手段の再検討の必要性がでてきている.経時的にどのように変化して破断に至るのかというハンダ接合の劣化メカニズムの解明を目標に,金属間化合物層の成長と結晶粒粗大化を評価する為の高分解能観察技術および結晶方位解析技術に関する実例を紹介する.