皮膚の科学
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症例
基礎疾患が認められなかったAcquired Reactive Perforating Collagenosisの1例
上田 亜紀子南 徹上津 桂子草壁 秀成清金 公裕
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2004 年 3 巻 3 号 p. 283-287

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抄録

53歳,女性。インプラント治療を受けるため予防的に抗生剤等を内服した後,背部にそう痒が生じ掻破していたところ,紅色丘疹が出現した。近医皮膚科を受診しステロイド剤の内服と外用による治療を開始されたが症状の改善を認めないため当科を紹介された。初診時,背部から腰部にかけて中央に褐色の薄膜や痂皮を有する紅色丘疹が多発していた。病理組織像では表皮は欠損しており,その中に不全角化物質,好塩基性物質,膠原線維よりなる角栓を有し,下床には好中球の浸潤を認めた。また真皮より角栓内への多数の膠原線維の排出像を呈していた。以上よりacquired reactive perforating collagenosis (ARPC)と診断した。本症では慢性腎不全や糖尿病などそう痒を伴う基礎疾患が存在することが多いが,自験例では基礎疾患が認められなかった。成因として薬剤の関与が疑われたが,内服誘発テストは陰性であったためなお成因は不明である。

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© 2004 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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