皮膚の科学
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症例
両側腋窩アポクリン腺癌の1例
井上 裕香子今井 康友宮崎 祐子羽田 孝司井出 良浩廣田 誠一南 祥一郎伊藤 孝明山西 清文
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キーワード: アポクリン腺癌, CK7, GCDFP-15
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2018 年 17 巻 4 号 p. 202-205

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抄録

80歳代,男性。初診2年前より左腋窩に紅色の小結節を自覚。徐々に増大したため当院を受診。病理組織では腫瘍細胞は多数の管腔を形成し,断頭分泌や乳頭様突出がみられた。CK7 陽性,GCDFP-15 陽性であり,アポクリン腺癌と診断した。拡大切除と放射線治療を行い(50Gy/25Fr),術後の PET-CT ではリンパ節転移や対側の右腋窩に異常を認めなかった。しかし,初回手術の3年後に原発巣とは対側の右腋窩に紅色小結節が出現し,切除組織はアポクリン腺癌であった。腋窩アポクリン腺癌は稀に両側性に発症することがあるため,原発巣の対側腋窩も慎重に経過観察する必要があると考えた。(皮膚の科学,17: 202-205, 2018)

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© 2018 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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