皮膚の科学
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症例
Sister Mary Joseph 結節の2例
越田 冴野兪 明寿黒川 晃夫森脇 真一
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2011 年 10 巻 3 号 p. 224-227

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抄録

症例1:43歳,女性。平成19年2月から胃癌ステージIVの診断で化学療法が施行されていた。平成20年9月から臍部に 2~5mm 大の丘疹と硬結に気が付き,平成21年1月に当科を受診した。皮膚生検にて胃癌の臍転移が確認された。症例2:77歳,女性。数週間前から自覚症状のない臍部の結節に気付き,平成21年4月に当科を受診した。初診時,臍部に小指頭大の浸出液とびらんを伴う結節を認めた。臨床像から Sister Mary Joseph 結節を疑い,全身検索を行ったところ,膵体部癌と多発肝転移が発見された。臨床像,組織像よりこれらの2症例を Sister Mary Joseph 結節と診断した。内臓悪性腫瘍の臍転移は Sister Mary Joseph 結節として知られている。文献的には,本邦での内臓悪性腫瘍の臍転移例の報告はこれまで191例であり,原発臓器は胃が最多で61例,次いで膵40例,卵巣30例の順であった。(皮膚の科学,10: 224-227, 2011)

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© 2011 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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