皮膚の科学
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症例
歯科金属が原因と考えられた扁平苔癬
原田 登由曽和 順子鶴田 京子赤松 浩彦松永 佳世子
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2003 年 2 巻 5 号 p. 443-447

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抄録

55歳の女性。2年前より前額部,背部に痒みを伴う皮疹が出現してきた。近医において内服薬と外用薬によって加療を受けるも軽快せず,8ヵ月前からは,食物摂取時に,口腔内の痛みも出現してきたため,当科を紹介され受診した。初診時,前額部,背部に紫紅色の丘疹が散在し,口腔内には白色レース様粘膜疹が認められた。口腔粘膜の皮疹は生検により,また皮膚症状は臨床所見より扁平苔癬と診断した。金属アレルギーを疑いパッチテストを施行したところ,0.5%pet. 金チオ硫酸ナトリウムに確実陽性を示した。金を含有している歯科金属を除去したところ,3ヵ月後に皮膚の症状および6ヵ月後に粘膜症状は改善し,現在までのところ再燃はみられない。

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© 2003 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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