関東東山病害虫研究会報
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ビワ疫病菌Phytophthora cactorumによるビワ新梢および花房の枯死 (病徴追加)
鐘ヶ江 良彦蔦木 康徳吉田 明広植松 清次
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2014 年 2014 巻 61 号 p. 64-66

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抄録

千葉県の施設栽培のビワ圃場で,新梢ないし花房が萎凋・枯死する症状が,それぞれ2012年4月,2013年1月に認められた。新梢および花房の内部は褐変腐敗しており,健全部と腐敗部の境目から疫病菌が分離され,その形態的特徴とPhytophthora cactorum特異的プライマーを用いたPCRにより分離菌をP. cactorumと同定した。新梢および花房に対して分離菌を接種したところ原病徴が再現されたことから,ビワの新梢および花房に発生した萎凋を伴う枯死は,P. cactorumによる病徴であることが明らかになった。ビワ疫病の病徴は,これまで果実腐敗と主幹の腐敗及び枯死が知られていたが,新たな病徴が確認された。

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© 2014 関東東山病害虫研究会
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