関東東山病害虫研究会報
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病害の部
納豆調製液によるジャガイモそうか病の種いも伝染防止効果
仲川 晃生井上 康宏越智 直田谷 有紀植松 芳彦
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2014 年 2014 巻 61 号 p. 31-34

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抄録

農薬に頼らない防除技術の開発を目的に,納豆のジャガイモそうか病に対する種いも伝染防除効果について調べた。納豆調製液は,2010年春作では300g の市販納豆粒を2L の水に入れて撹拌した懸濁液 (300g/2L 区) を用い,2010年秋作以降の試験で300g および450g の市販納豆を摩砕して5L に加水した摩砕液 (300g/5L区および450g/5L区) を用いた。これらの調製液に種いもを瞬間浸漬後,予めクロルピクリンくん蒸剤で土壌消毒を行った圃場に植え付け,消毒効果を調べた。この結果,発病度から見た防除価は,対照薬剤 (ストレプトマイシン・オキシテトラサイクリン水和剤,40倍希釈) 区で36.1~90.2を示すなかで,300g/2L理区で47.3~47.6,300g/5L 処理区で19.6 ~ 79.6および450g/ 5L 処理区で35.3 ~ 92.1の値を示した。また,発病塊茎率か ら見た防除価も同様な結果を示すなど,納豆調製液は何れの濃度とも対照薬剤に比べて劣るものの,無処理区に比べて高い防除価を示した。

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© 2014 関東東山病害虫研究会
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