本研究で吸着材に使用した粉末状活性炭(MSC-30)は,吸着材としてよく使われてきたシリカゲルより比表面積が大きく,さらに大きな吸着量が得られると期待される.吸着質には地球温暖化への影響が非常に小さい低GWP 冷媒のR 1233zd(E)を使用し,その吸着特性を同じ低GWP 冷媒のR 1234yf と比較した.本研究の結果から,単位質量あたりの吸着量および平衡状態に至るまでの吸着速度ともにR 1233zd(E) がより優れた結果を示した.なお,吸着相における体積変化を理論的に考慮したモデルで吸着熱を予測した結果,ほぼ同程度であった.吸着特性に関するこれらの基本情報は,機能性活性炭をフロン類の回収,分離,再生に活用するための基礎情報として高い有効性を有する.