人間ドック (Ningen Dock)
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原著
経鼻内視鏡検診車を利用した出張型人間ドックの実際
池田 聡岡村 博文山本 博美宮城 康子池田 誠
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2010 年 25 巻 3 号 p. 516-520

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抄録

目的:近年,楽で安全な経鼻内視鏡検査は,検診・人間ドックに広く普及しつつあり,当施設でも院内のスクリーニング検査に経鼻内視鏡を用い有効に活用している.さらに当施設では世界初の経鼻内視鏡専用検診車を導入し,上部消化管のスクリーニングとして内視鏡検査を取り入れた出張型人間ドックを行っている.その実際について報告する.
方法:経鼻内視鏡専用検診車と胸部レントゲン検診車にて事業所に赴き,当施設で通常行っている人間ドックと同様の検査全てを行った.1回の出張につき平均12名の検査を行った.内視鏡検査では色素散布は行うが生検は行わず,必要な場合後日院内で行うこととした.
結果:検査による偶発症等の問題はなかった.1)内視鏡検査に伴う鎮静剤などの使用がなく安全であること,2)受診者にとって内視鏡検査が楽で,検査中の説明に集中でき検査についての理解が深いこと,3)人間ドック受診後からすぐに仕事に戻れる利便性,などの理由から受診者から好評であった.
考察:受診者にとって苦痛と時間と費用のさらなる軽減のためにも経鼻内視鏡検診車を利用した出張型人間ドックは大変有用と考えられた.

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© 2010 公益社団法人 日本人間ドック学会
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