さまざまな物性が演じられる舞台は, 原子や分子の配列が作る物質構造である. これを変化させる新たな手段として, 1軸性ひずみの方法を開発した. 装置の基本構造を示し, これによって作られる物質のひずみが1軸性であることを検証する. 実際の研究への適用例として, 2種類の2次元性有機導体の電子状態に与える1軸性ひずみの効果を紹介する. 有機導体に限らず多くの物質において, 1軸性ひずみは, 静水圧や従来の1軸性加圧では実現できない新たな物質構造をもたらす. この実験手法によって, 新規な物性の発見が期待できる.