日本物理学会誌
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ついにとらえたガンマ線バーストの偏光(最近の研究から)
村上 敏夫米徳 大輔郡司 修一三原 建弘
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2012 年 67 巻 11 号 p. 758-762

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抄録

ガンマ線バーストはビッグバン以降の宇宙では最大の爆発として知られる.重い星の重力崩壊や中性子星同士の合体が引き金と考えられ,ローレンツ因子で300を超えるような相対論的な速度を持ったプラズマがジェットとして飛び出す.かくも高速なジェットが短時間にどのように作られ,なぜガンマ線を強く放射するのか? 興味は尽きない.それらを理解しようと多くの人工衛星が打ち上げられ,原因追及に挑んでいる.一昨年には米国のガンマ線観測衛星Fermiが新しい結果を公表した.昨年にはガンマ線バーストの偏光観測が日本の探査機IKAROSで成功し,ガンマ線バーストから高い偏光度を検出した.本稿では偏光観測データとその意義について紹介する.

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© 2012 一般社団法人 日本物理学会
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