2011 年 24 巻 2 号 p. 340-345
2009年6月から2011年1月までに当科でホルミウムレーザー前立腺核出術(holmium laser enucleation of the prostate:HoLEP)を施行した135例のうち,105例に尖部順行性切除法(anteroposterior dissection HoLEP)での核出術を施行した.この術式は,手順が比較的単純であり,腺腫の大きさを問わず手術を完遂でき,さらに術後合併症の1つである腹圧性尿失禁(stress urinary incontinence:SUI)のリスクを低減させる効果が期待できると考えられている1).今回我々は,尖部順行性切除法において技術的に一番難解な「前立腺側葉12時の剥離」を標準化すべくその手技の検討を行った.結果として,すべての症例で12時からの剥離面への到達が可能であり,標準化できる手技だと考えられた.また,術後1カ月目のSUIも有意に減少しており,術後早期のSUIのリスクも軽減しうる術式だと思われた.