日本消化器内視鏡学会雑誌
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経験
クラミジア直腸炎の内視鏡像の検討
松井 佐織廣吉 康秀阿南 会美阿南 隆洋菅原 悦子渡辺 明彦菅原 淳藤田 剛向井 秀一
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2014 年 56 巻 2 号 p. 279-285

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抄録

Chlamydia trachomatis(以下クラミジア)による直腸炎は,イクラ状・半球状小隆起が典型的内視鏡像とされるが,自験例では典型例が少なく,丈の低い隆起や隆起を伴わない例を認めた.自験例28例のうち初回内視鏡検査時に隆起性病変を認めた18例では丈の高い隆起(典型例)を3例(10.7%)に,丈の低い隆起を15例(53.6%)に認めた.隆起を伴わなかった10例(35.7%)では,びらん・アフタ・発赤などの所見を認めた.クラミジア直腸炎では,半球状小隆起以外の内視鏡所見が認められることも多いと考えられ,症例の集積と検討が必要と思われる.

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© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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