2009 年 18 巻 2 号 p. 31-34
元気消失,食欲不振を主訴とし,循環血液量低下を呈した猫にACTH (adrenocorticotropic hormone)刺激試験,X線検査,超音波検査およびCT検査を実施した。臨床症状,コルチゾール値低下,小心症,細い肺血管を伴う循環血液量減少とともに小さな副腎の所見から,副腎皮質機能低下症と診断した。画像検査は,副腎皮質機能低下症の補助診断として有用であった。猫の副腎皮質機能低下症は極めて稀な疾患ではあるが,非特異的な臨床症状と循環血液量減少を呈する猫に対して,犬と同様に画像診断上,副腎皮質機能低下症を考慮する必要があると考えられた。