1994 年 26 巻 1 号 p. 68-73
左半身の間代性痙攣で発症した急性小児片麻痺の児において, 急性期から経時的な脳血流の変化を脳血流シンチグラフィーを用いて検討した.第3病日の左側の間代性痙攣重積時には, 右大脳半球の脳血流は増加していた.痙攣消失後4日目 (第7病日) には身体所見は意識障害と左片麻痺を認め, 同領域の血流増加が持続していた.第10病日から右側の脳血流は低下し, その後低下が持続していた.これまでに急性小児片麻痺の急性期の脳血流をとらえることができた報告はなく, 亜急性期および慢性期の血流低下の報告がなされているのみである.急性小児片麻痺の原因と病態を考える上で, 痙攣発作時からの脳血流の経時的変化の検討が重要であると考え報告する.