脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
CTスキャンによる小頭症の成因および臨床像についての検討
伊藤 正利奥野 武彦三河 春樹
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 21 巻 5 号 p. 440-444

詳細
抄録

小頭症児58例にCTスキャンを施行し, その成因について検討した.また, 小頭症の臨床像と頭囲およびCT所見との関連についても検討した.CTは検査前に予想できなかった病変の発見に役立ち, 小頭症の基礎疾患の診断の確立に有用であった.頭囲とCT所見の異常の有無, 精神遅滞の程度, 運動障害またはてんかんの合併の有無とは相関せず, 小頭の程度だけでは小頭症の予後を判定することはできないと思われた.一方, CT所見の異常の有無と精神遅滞の程度, 運動障害またはてんかんの合併の有無とは, 有意の相関を示し, CTは小頭症の予後の判定に有用な検査と思われた.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top