脳と発達
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日本における抗てんかん薬測定の精度管理 (第2報)
宮本 侃治清野 昌一
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1979 年 11 巻 6 号 p. 561-566

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抄録

1978年6月に, 43施設が参加して行なわれた第2回の抗てんかん薬測定精度管理の結果を報告した.
材料は血清にphenytoin (PHT, Aleniatin), phenobarbital (PB, Phenobal), primidone (PRM, Mysoline), carbamazepine (CBZ, Tegretol), ethosuximide (ESM, Zarontin), sodium valproate (VPA, Depakene) の6種類の薬物を添加し, 各薬物とも3段階の濃度を組合せたものを用いた.測定方法としては, 同一施設で2種以上の方法を併用した場合もあったが, ガスクロマトグラフ16, 酵素イムノアッセイ32 (EMIT31, ヘテロ法1), 紫外吸収法3, ラジオイムノアッセイ1であった.
測定値のmean値は, 薬物の種類, 濃度にかかわらず, 添加濃度にほぼ一致した. しかし測定値の最小と最大の幅ではPB, ESM, VAPの高濃度試料でかなりの拡がりが認められた. また測定値の信頼度をCV値で表現すると, 薬物の種類, 濃度にかかわらず9.4-18.9%の間にあった.方法による差もCV値でみる限り有意の差があるとはいい難いが, EMITによるPBとESMの高濃度試料のmean値が添加濃度より高値であることが認められた.

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© 日本小児小児神経学会
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