脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
軽度低体温療法とステロイドパルス療法の併用が効果を示したインフルエンザウイルス関連性急性脳症の2例
大槻 則行木村 清次根津 敦夫相原 雄幸
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 32 巻 4 号 p. 318-322

詳細
抄録

インフルエンザウイルス感染に伴う急性脳症は一般的に予後が不良な例が多く, 従来の治療法では重篤な神経学的後遺症を残すことが多い. 今回, インフルエンザウイルス感染に伴って発症した急性脳症の2例に軽度低体温療法とステロイドパルスの併用療法を行った. 1例は中枢神経症状出現後の7日目に入院し, 顕著な脳浮腫および脳波の低電位化を認めたが死亡には至らず, 経口摂取可能の状態で退院できた. 他の1例は入院時に両側前頭部優位の皮質浮腫を認めたが治療の結果, 中等度の知能障害にとどまった. 上記の治療法は新たな一つの手段になると考えられた.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top