脳と発達
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重症心身障害児 (者) における死亡例の検討
石崎 朝世篠崎 昌子吉田 玲子倉田 清子坂本 皓哉篠原 猛佐々木 日出男佐藤 順一森松 義雄
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1990 年 22 巻 4 号 p. 357-363

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抄録

都立府中療育センター開設以来20年間の重症心身障害児 (者), 延べ入所者848例中の死亡例98例のうち, 死因の明らかな94例 (剖検83例) の臨床的検討を行った.性差はなく, 死亡時年齢は7割が15歳以下, 死亡原因は半数48例が肺炎により, 次いで突然死, イレウスが各々9例, 8例を占め注目された.尚, 近年, 肺炎による死亡は減少, イレウスによる死亡は消失したが, 一方, 悪性腫瘍による死亡がみられるようになった.他, 若年例の頭蓋内出血, 気管カニューレ装着者の気管出血も留意された.突然死は, 環境の変化に敏感で, 全身緊張がめだっ混合性四肢麻痺の思春期から青年期に多く, その急変発見は朝5-8時, 夕6-9時に集中した.

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© 日本小児小児神経学会
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