日本化学療法学会雑誌
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女子急性単純性膀胱炎に対するciprofloxacinの1日療法と経口cephem薬の3日間療法の比較検討
横尾 大輔
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1995 年 43 巻 1 号 p. 85-88

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抄録

女子急性単純性膀胱炎に対するciprofloxacinの1日療法 (CPFX群) の有用性を検討するため, 経口セフェム薬の3日間療法 (CEPs群) との臨床比較試験を実施した。その結果, UTI薬効評価基準判定における有効率は, CPFX群が85.7%(42/49), CEPs群が93.2%(41/44) で両群に有意な差は認められなかったことより, CPFXの1日療法はセフェム薬による3日間療法と同等の有効性が期待できることが確認された。さらに経済性をも勘案すると, CPFXの1日療法は女子急性単純性膀胱炎の治療薬として有用と考えられる。1~2週間の休薬後の判定で, 両群において少数例ではあるが無効例が認められた。これらの症例はすべて投与終了翌日の膿尿に改善が認められなかった。一方, 投与終了翌日に排尿痛や細菌尿の改善が認められなくとも膿尿に改善傾向が認められた症例では1~2週後にはほぼ治癒していた。以上より投与終了翌日に膿尿の改善が得られない症例では追加投与が必要と考えられた。

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