CHEMOTHERAPY
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Panipenem/betamipronの体内動態および臨床成績
青木 信樹薄田 芳丸甲田 豊高沢 哲也若林 伸人林 静一新田 功本間 千鶴子渡辺 京子
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1991 年 39 巻 Supplement3 号 p. 372-384

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抄録

各種腎機能障害患者16例にpanipenem/betamipron (PAPM/BP) 0.5g/0.5gを60分間で点滴静注した際のpanipenem (PAPM) とbetamipron (BP) の血中濃度と尿中回収率を測定し, 腎機能障害の程度を軽度 (I群) 5例, 中等度 (II群) 5例, 高度 (III群) 6例に分類し検討した。最高血中濃度はPAPM, BPいずれも点滴終了直後に得られ, 血中半減期 (T1/2β) の平均値はPAPMで1群1.42時間, II群1.78時間, III群3.94時間, BPは各々0.71, 1.31, 5.77時間と腎機能低下が高度になるに従い延長し, 血漿濃度曲線下面積値 (AUC) もPAPMで1群53.46, II群61.47, I II群126.05μg・h/ml, BPはそれぞれ20.40, 37.61,194.67μg・h/mlと腎機能低下に伴い高値となった。24時間までの尿中回収率は腎機能低下が高度になるにつれ減少する傾向であったが, 特にPAPMで著明であった。
呼吸器感染症33例に使用し, 著効1例, 有効28例, やや有効1例, 無効3例, 有効率87.9%の結果を得た。副作用は1例で下痢がみられ, 検査成績上8例で肝機能検査値異常を認めたがいずれも軽度のものであった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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