CHEMOTHERAPY
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Cefuroxime axetil (CXM-AX) の胆嚢組織内および胆汁中移行に関する臨床的研究
谷村 弘小林 展章小澤 和恵丸山 啓介加藤 仁司
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1986 年 34 巻 Supplement5 号 p. 386-391

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抄録

Cefuroxime axetil (CXM-AX, SN 407) は新しい経口用Cephem剤であり, 腸管内で脱エステル化されてCefuroxime (CXM) となって, グラム陽性菌, グラム陰性菌ならびに嫌気性菌に優れた抗菌力を示すといわれる。我々はその胆嚢組織内濃度と胆汁中移行に関する検討を行った。
1) CXM-AX, Cephalexin (CEX) それぞれ500mgを3日間5回連続同時投与した4例におけるCXMの血中濃度は3時間後2.37μg/ml, 4時間後2.13±0.34μg/mlを示し, 胆嚢組織内濃度は平均4時間後1.02±0.23μg/gであった。CEXの胆嚢組織内濃度は4.32±1.84μg/gであった。
2) CXM-AXとCEX各500mgを単回同時投与後6時間までの胆汁中移行を比較した結果, CXMの胆汁中濃度のピーク値は8.64μg/mlとCEXの1.34μg/mlより6.4倍高い値を示した。CXM-AXおよびCEXの6時間までの胆汁中回収率はそれぞれ投与量の0.063%, 0.021%であった。
これら5例とも発疹や下痢など自・他覚的な副作用は全く認めなかった。

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