CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
抗生物質の併用に関する研究 [I]
臨床分離緑膿菌に対するPiperacillin, TicarcillinとDibekacinとのin vitro併用効果に関する実験的考察
青沼 清一大沼 菊夫渡辺 彰佐々木 昌子大泉 耕太郎今野 淳
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 30 巻 2 号 p. 149-153

詳細
抄録

Dynatech MIC 2000を用いて, 臨床分離緑膿菌35株に対するPIPC, TIPCとDKBとのin vitro併用効果を検討した。
1) PCs単独のMICおよびMBCのピークは, いずれもPIPCが6.25μg/mlに, TIPCが50μg/mlにあり, PIPCはTIPCより3段階優れていた。
2) DKBとの併用効果を発育阻止の面でみると, 相乗作用あり (FICilldex≦0.5) はPIPCが26株 (74.3%), TIPCが23株 (65.7%) でありPIPCの方がTIPCより優れていた。
3) 同様に殺菌力の面でみると, 相乗作用あり (FBC index≦0.5) はPIPCが23株 (65.7%), TIPCが18株 (51.4%) でありPIPCの方が優れていた。
4) PCs単独のMICおよびMBCが6.25μg/ml以下のグループと12.5μg/ml以上のグループに分けて, それぞれの平均FIC indexおよび平均FBC indexを比較してみると, PIPC, TIPCともに平均FIC indexお, び平均FBC indexのいずれも12.5μg/ml以上のグループの方が小さい値を示し, 臨床的合目的性が認められた。
5) DKB添加によるPCsのMICが6325μg/ml以下となる株数の変化をみると, 単独ではPIPCが19株 (54.3%), TIPCが2株 (5.7%) であったが, 0.2μg/mlのDKB存在下ではPIPCが33株 (94.3%), TIPCが23株 (65.7%) であった。
6) 同様にPCsのMBCが6.25μg/ml以下となる株数の変化をみると, 単独ではPIPCが15株 (42.6%), TIPCが2株 (5.7%) であったが, 0.2μg/mlのDKB存在下ではPIPCが29株 (82.9%), TIPCが16株 (45.7%) であった。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top