デザイン学研究作品集
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教育効果のある木育玩具のデザイン開発
林 秀紀櫛 勝彦
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電子付録

2018 年 24 巻 1 号 p. 1_24-1_29

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抄録

 日本は国土面積の約7割を森林が占めるものの、国産材の使用率は約3割程度に留まり利用促進の取組みが行われてきた。林野庁が推進する「木育」は木の文化や理解を深め国産材利用の意義を学ぶ教育活動である[注1]。著者らは、予備研究において、「木育玩具による遊びの種類と教育効果との関係指標」をまとめ、消費者や生産者にとって利用価値のある資料の作成を目指した。本稿は、木の里工房木薫と岡山県立大学林研究室の産学プロジェクト活動の中で行われた、未就学児を対象とした木育玩具のデザイン開発について報告する。開発プロセスは、予備研究の資料や保育園での観察調査で得られた知見より、木育玩具のプロトタイプを制作し、保育園や地域の木育イベントでの実験検証を実施した。検証の結果、子どもの身体能力や知的能力の成長を促す効果が確認され、購入の際に指標を参考にすれば、玩具の選択が容易になる可能性が明らかになった。

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© 2019 著作者
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