2018 年 23 巻 1 号 p. 1_52-1_55
子どもは高所に居ることを好む。そこで子どもが自ら工夫し、全身を使って登り降りすることを楽しむ遊具の開発を行った。アイデア展開より、奥行きで位相が異なる2枚の波形状の壁の間を多様に登り降りする遊び方に着目した。数度の試作の調査分析により、壁の間で突っ張り、高さのある位置で体勢を維持する行動と、そこから体を持ち上げようとする行動を複数回繰り返して登る様子が見られ、四肢だけでなく腰や背中を使って登っていることが明らかになった。また壁の特定の奥行きの場所から登る行動が多く見られ、子どもが試行錯誤の中で、登りやすい場所を見つけて登っていることが示唆された。最終的な提案物を幼稚園へ4週間仮設置して検証を行い、デザインの有効性を確認できた。