日本静脈経腸栄養学会雑誌
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小児の栄養管理における静脈栄養の意義と実際
曹 英樹
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2018 年 33 巻 3 号 p. 831-834

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抄録

小児においても経腸栄養が優先するが、栄養貯蔵量も少ない小児では、栄養の投与が十分でないと容易にタンパク栄養状態が悪化し、創傷治癒の遅延や易感染性、免疫力の低下などが生じる危険がある。したがって、経腸栄養が不可能な場合、不十分な場合にはすみやかに静脈栄養を導入すべきである。また、小児期発症の短腸症候群やヒルシュスプルング病類縁疾患などの腸管不全症例には長期間にわたる中心静脈栄養(total parenteral nutirition:以下、TPNと略)が命をささえる唯一の手段となる。TPNに伴う合併症に注意し、正しい知識による厳密な管理を行うことで、成長および長期生存が可能となる。

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© 2018 日本静脈経腸栄養学会
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