静脈経腸栄養
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原著
Refeeding syndromeのリスクを有する重症肺炎患者の早期経腸栄養療法に関わる因子の検討
門脇 秀和中村 睦美
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2013 年 28 巻 2 号 p. 653-660

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抄録

【はじめに】重症肺炎患者に対し経鼻胃管を用いて実施した早期経腸栄養療法にて、目標栄養量に達するまでにかかった日数 (以下、Refeeding日数と略) と関連する因子を検討した。【対象および方法】Refeeding syndromeのリスクを有すると診断した75歳以上の重症肺炎の連続20例。Refeeding日数と相関を有する臨床所見及び採血項目を抽出した。Refeeding日数を全体平均の7.1日で区切った7日以内群と8日以上群、また、リンの投与群と非投与群の2群の、それぞれの臨床背景を比較した。【結果】Refeeding日数と相関を有したのは肺炎の重症度の指標であるCURB-65、リンおよびChEであった。Refeeding日数を7日で区切った2群では、CURB-65、リンおよびChEのそれぞれに有意差を認めた。リンの投与有無別では、有意差を認めなかったものの、リン投与群でChEが低値の傾向であった (P = 0.062) 。【結論】Refeeding日数は、CURB-65に正の相関を、リンおよびChEに逆の相関を認め、いずれも早期経腸栄養療法における重要なモニタリング項目であると判断した。

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© 2013 日本静脈経腸栄養学会
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